マスターカード クレジットを潜入レポート
以下ではそのいくつかの例について考えてみよう。
預金保険制度は小口の預金者を保護するためのセーフティー・ネットである。
一方、金融機関からみると、万が一自分の経営が破綻しても零細な預金者に迷惑をかけずにすむ制度でもある。
かつて米国では、経営が苦しくなってきて預金が集まりにくくなった金融機関のなかに、小口の預金に高い金利を付けて、集めた資金をいちかばちかでリスクの高い資産に運用するものが現れた。
さらに、経営が破綻した金融機関を、預金保険の資金援助を発動して他の金融機関に吸収させると、結果として小口、大口にかかわらずすべての預金者が保護されることになる。
このような破綻処理を続けていると、たとえ潰れても最終的にはどこかが面倒をみてくれると考え、経営が苦しいにもかかわらず、すべての預金に高い金利を付けて預金をかき集める経営者がでてくるかもしれない。
このようなモラルハザード(倫理観の欠落)の発生は、金融機関の破綻処理を長引かせて傷口を広げ、社会的にかえって大きな損失を招いてしまうことになる。
こうしたことを防ぐためには、経営状態に応じて保険料率を決定し、経営が健全でないところには保険料の負担を大きくすることも一つの方法だ。
経営内容の悪化が保険料率の上昇を通してコストの増大となってはね返るということになれば、健全性を犠牲にしてまで高金利を付けることはできなくなるだろう。
日本では保険料率は一律であるが、米国では金融機関の信用力によって保険料率に大きな差が設けられている。
また、預金をする側としても、首をかしげるような高い金利をみたら、一応その金融機関の経営内容をよく研究してみるべきだろう。
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